おおきく振りかぶって 32巻 ネタバレ
「おおきく振りかぶって32巻」を読んだ感想です!やっと崎玉戦が終了しました。この巻では、高校野球のデリケートなテーマ「微妙なストライク判定」について取り上げていたのが面白かったです。 【「おおきく振りかぶって」の本ブログ内感想記事(14巻以降)へのリンクはこちらを御参照下さい。 「おおきく振りかぶって」最新32巻では、4市大会決勝トーナメント1回戦・崎玉対西浦戦の決着編、そして試合後一緒にファミレスで食事会を行って交流を深めた両校の様子が描かれています。 「おおきく振りかぶって32巻」を読んだ感想です!やっと崎玉戦が終了しました。この巻では、高校野球のデリケートなテーマ「微妙なストライク判定」について取り上げていたのが面白かったです。
「おおきく振りかぶって」の33巻が発売になったので読みました!さっそく感想を書いてみます!33巻の冒頭は、西浦に勝った崎玉とARCの試合です。ARCは投手以外は2軍構成とはいえ、崎玉は0-1と善戦の末に破れます。ARCは監督をはじめチームの「雰囲気」は全然違いますが、投手を中心にきっちり守り勝つチームカラーは浦和学院の方が近いかな。たとえ2軍とはいえ浦学や徳栄のようなARCに、部員が10人程度しかいなくてしかも新2年生中心の崎玉が0-1というのは、「リアルさ」が売りの「おお振り」のストーリーの中ではちょっと非現実的かな…。高校野球オタクの私から見ると、「おお振り」は夢物語ではなくなるべくリアルを追求していると感じますが、この「西浦が桐青に勝利したのも、西浦が3年生中心のメンバーならまだわかるのですが、1年生だけというのがちょっと微妙なんですよね。たとえARCでも数か月前は中学生だった1年生だけでチームを編成すると、ベストメンバーで戦う桐青に勝つのは難しいというのが現実だと思います。33巻で一番興味深かったのは、西浦の部員たちが出身中学やクラブチームの後輩を西浦は部員数が少ない公立校で、とにかく部員の数を増やしたいため、ポジションがかぶる上手な後輩に「来ないでほしい」という後ろ向きな感情はまったく描かれません。これが野球強豪校が舞台であれば、そういう微妙な感情もあるのでしょうけどね。田島や泉が教室で「野球少年の数自体が減っている」という話をしていますが、少子化と人気スポーツの多様化…ということなのでしょうね。で、野球少年が減っているのに加えて、高校野球オタクの私から見て、この傾向は非常に強まっていると感じます。1990年代頃は、「甲子園で活躍する選手=プロ野球で大成する選手ではない」というイメージが強かったです。90年代にプロ予備軍のような選手たちを集めるチームカラーだったのはPL学園や横浜でしたが、PLや横浜より(当時は)プロ志望でない選手が多い智弁和歌山の方が強かった時代です。しかし少子化による選手の奪い合いや、スカウト熱心な大阪桐蔭が鉄壁の強さを作り上げたことなどで、現在の高校野球ではスカウト合戦が激化しています。もちろんすべての有望選手が順調に育つわけではないのですが、昔にくらべるとやはり予定調和的な傾向が強まっていますね。それの何が悪いか…というと、まあ単に予定調和的な世界観をあまり好まないという私の好みの問題なのですが、それだけでなく高校野球のスカウト熱は、各高校野球チームの個性を失わせている気もします。たとえば90年代の明徳義塾には松井への5敬遠で「勝利への執念」に惹かれて入部した選手が何人かいるのですが、そういった形で自発的に入部する選手が多い方が、チームの個性は強くなるのではないかと。大阪桐蔭は既にあれがチームカラーなのでいいんですが、いくつかの強豪校は「ミニ大阪桐蔭」になってしまっているような…。「おお振り」の話とめっちゃずれてしまいましたね!西浦の場合は、部員不足による「来るもの拒まず去るものは逃がさない」の切実なスカウトです。おお振り33巻で、もう一つ大きなテーマとして語られるのは「部内恋愛」です。栄口は「いーの?みんな恋しないの?」と言ってますが、恋愛禁止ではなくしかしこれ…うまくいくのかしら…?恋愛って人間の自然な感情ですし、高校生は多感ですし、逆に禁止されると意識してしまうってのもあるしねえ…。こういう問題を部にもちこまないために、女子マネを取らないというチームもあるのかもしれませんね。今のところおお振りで描かれている恋心(に近い感情)は……ですが、付き合っちゃダメかなあ?水谷と篠岡さんが付き合っても、チームには何も問題がないように思えるけど。むしろ高校生ってライトだし、他に篠岡さんを好きな選手がいても、篠岡さんが水谷と付き合っちゃったら諦めて違う恋をするんじゃないかな?…って、私が阿部みたいにライトすぎるのかな…。まあ、でもさすがに私も阿部ほどではないですね。阿部は部内恋愛禁止の話が出ても、「ふうん」「いんじゃね?」「(ただただ監督は女性だという事実からアッサリと)あとカントクだろ?」…。この「オレの配球に何も関係ねえ」という態度というかオタクぶり…良いですねえ。私は篠岡さんの気持ちわかりますよ!私が高校生でも阿部が好きかも。「私に何の興味も持っていない男性」って、なぜだか魅力的に思えてしまうんですよね。不思議です。おお振り33巻のザッとした感想でした。私はおお振りでは試合を描くシーンが好きなので、ちょっと流し読みしてしまった巻でもありました。西浦が既に敗退した秋季大会では、千朶や桐青や春日部はどうなったのか気になる…春のセンバツに行けるチームはあるのでしょうか?次の巻ではそのあたりが判明すると嬉しいです!自由に生きる道をさがしています。自由に生きる道をさがしています。 「おおきく振りかぶって」の32巻を読んだ感想です!28巻からずーっと書かれている4市大会、崎玉高校のリベンジマッチ。4市大会のような、甲子園出場に関係ない大会をやたら丁寧に長く描くなあ…と思っていたら、ようやく32巻で決着しました。そして、なんで4市大会のようなマイナーな試合を丁寧に描いたのかわかりました。最後のストライク判定の場面、あそこを描くために甲子園のかからない試合という設定が必要だったんだろうなあ…。最後にストライク判定した球は、厳密に機械的な意味でベース上を通過したわけではない球だったようですが、状況ストライクとでもいいますか、審判の裁量でストライクとなった…ことが、試合後に明かされます。さすがにこんな微妙な場面を、甲子園をかける試合で描くことはためらわれたので、それほど重要ではない公式戦という舞台が必要だったのかなと思いました。32巻の見どころはいろいろありますが、やはりこのストライク判定についてのテーマが大きすぎますね。面白いなあと思ったのは、ストライク(Strike)は名詞や終止形としての動詞ではなく、初めて知りました!最後にストライク判定された球は、ストライクゾーンは外れているけど、「打て!(Strike)」という意味でストライクがコールされたと。あの場面(得点圏にランナーがいて、カウントがフルカウント)では、振らなければいけない球…ということになりますかね。西浦&崎玉の合同ランチでの話し合いの中では、「高校野球の解説で打者目線から「追い込まれているからストライクゾーンを広めに取って…」というのを聞くけど、関係あるのかもなあ…。プラスして、昨今の投低打高傾向の影響にも触れられていましたね。野球は投手と打者が五分五分の勝負をするのが面白いスポーツなのだと。木製バットが使用され、阿部はあっさり「納得しますよ。審判がストライクっつてんですからあれはストライクです」と言いました。しかし、実際にはあんまり納得できないのが、高校野球の微妙なストライク・ボール判定ですよね。ていうか、甲子園がかかった大事な試合だったら阿部も納得してないかもしれないなあ…。古い話だと、夏の佐賀北VS広陵の決勝戦で、満塁から広陵の野村投手の際どいボールがことごとくボール判定された場面。最近だと、春の秀岳館VS木更津総合の9回2死で、木更津総合の早川投手が追い込んだカウントで投げた、痺れるような内角球がボール判定された場面。これ以外にも、応援しているチームが敗戦した試合の、ストライク・ボール判定が納得いかないという経験は、高校野球ファンになら誰にでもあるのではないでしょうか。これ、難しいですよね…。審判が試合の流れや投手の力量を見て「状況ストライク」を取ることが、高校野球にはふさわしいのかどうなのか。厳密な平等のために、将来的にはストライク・ボール判定はAIにまかせるのかというと、それも味気ないように思います。私の中でも全然結論は出ないのですが、「ストライク」は単にストライクゾーンを通過したボールではなく、「打て!」とコールされるに値する球なのだという考え方は、私の野球観戦に新しい視点を与えてくれました。「おおきく振りかぶって32巻」の感想でした!ストライク判定の話ばかり書いてしまいましたが、他にも強豪校設定の斉徳の監督さんが、昨今の高校野球を取り巻く状況について、軽くぼやいていたシーンも面白かったです。やっと物語の中で年が変わりそうですね。翌年のセンバツは物語の中に出てきた埼玉県のチームが、センバツ切符をつかんでいるのか気になるなあ。最近の高校野球でよく問題になる、関東・東京センバツ6枠目問題についても取り上げてくれたら面白いですけどね!自由に生きる道をさがしています。自由に生きる道をさがしています。
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