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ナイキのランニングシューズを中心としたランニングギア情報やレース・練習会情報などを書いています。ナイキのランニングシューズには大別して5種類(エアマックス・フリー・ルナ・ズーム・リアクト)のシリーズがあります。その中でもズームシリーズはかなり種類も多く、シリアスランナーからファンランナーに至るまで、多くのランナーに支持されており、私もその中の1人です。以下、このズームランニングシューズのラインナップを徹底レビューいたします。26.5cmで182gです。このシューズはアッパー部分にフライニットを使用することで、初代のヴェイパーフライ4%より軽量化に成功し、伸縮性と通気性も向上しています。サイズは他のナイキのランニングシューズと同じく26.5cmを購入しましたが、ややきつく感じます。しかし、アッパーのフライニットが伸縮性があるので、大きいより良いと思います。実際にこのシューズでフルを走っても足が痛くなるようなことはありませんでした。このシューズはミッドソールの厚みがつま先とかかとで差があります。この傾斜が最大の革命ポイントで、このクッションの反発力が高く、傾斜によって上に跳ね返るのでなく前方への推進力になる感じがします。足を通すと、全体的に包みこんでくれるようなフィット感があります。シュータン(ベロ)がないため、きつめに紐を結んでも足首の前側部分も痛くなりません。ただ、多少ローカット気味なのか、かかとのホールド感があまりないので、慣れないと脱げそうに感じます。そのため、多少きつめに紐は結んだ方がいいでしょう。走りへの効果はまず、ハーフマラソンで検証しましたが、GPSウォッチ(ガーミン)で調べた結果、ストライドが伸びていることがわかりました。私の場合、ピッチは1分間で190〜191で、どのシューズでも変わらないのですが、前年のレースで履いていたズームスピードレーサー6でのストライドは1.31m、今年のズームヴェイパーフライでは1.36m。この5cmは約4%に相当します。まさにヴェイパーフライを履くと、飛んでいるという感覚を味わえます。フルマラソンで走った際は、ハーフほどの躍動感は感じませんでしたが必然的に速く走らされているという感じでした。1kmあたりのペースが感覚よりも5秒くらい速くなります。また、レース終了後も、他のシューズではマメができたり足裏を痛めたりすることが多いのですが、このシューズでは圧倒的にダメージが少なかったです。速さの秘密は反発性の強いカーボンファイバープレートとミッドソールに搭載されたズームXです。カーボンファイバープレートだけならズームフライ フライニットやズームフライ3にも、ズームXだけならペガサスターボシリーズにも搭載されていますが、この2つのスペックを併せ持つところが速さの秘密と言えるでしょう。ちなみに私が比較対象にしたのはズームスピードレーサー6という薄底軽量シューズです。ナイキが比較対象としているのはズームストリーク6という薄底軽量シューズです。後述していますがストリーク6とスピードレーサー6は重量が一緒でタイプも一緒なので比較対象としては近いでしょう。良い点ばかりを書きましたが、悪い点としては登り坂には向いていないというところです。シューズの前に進ませるような傾斜が、登りにはかえってマイナスになっているものと思われます。箱根駅伝でもヴェイパーフライを履く学生が多いですが、5区の山登り区間には履いていることがいないことからもこの理屈は合っているのでしょう。もう一つのデメリットは仕方ないことですが、160km程度の寿命と言われている耐久性のなさです。ハーフ一回、フル一回走ってソールはこんな感じです。私は普段かかとをほとんど着かないミッドフット気味なので、薄底シューズの場合はかかとは傷まず母指球の辺りが擦れがちなのですが、このシューズではかかと付近の外側が傷んでいるのがわかります。シューズ自体につま先とかかとで傾斜があるため、普段は着かないかかとまで着き、それを前に進む求心力にすることでストライドが伸びる要因の一つになっているのではないかと思います。フォアフット・ミッドフット着地の人にこのシューズは向いていると思いますが、普段からかかと着地の人にはむしろ走りにくい上、このシューズの一番の長所である反発力を生かすことができないのではないかと思います。さらにもう一つ欠点を挙げるとすると、雨の日には効果が半減することです。フライニットが水をよく吸ってしまい、重くなります。私は雨のフルマラソン(東京マラソン2019)で使用しましたが、疲れてくると重く感じ、重さで脱げそうになる感覚がありました。アウトソールもグリップが強いタイプではないため、道が濡れている場合はスリップにも注意が必要です。ヴェイパーフライ4%フライニットのアップデートモデルで、26.5cmで186gです。重さはほぼ一緒(2〜3g重い)ですが、異なる点はたくさんあります。まずはミッドソールです。ネクスト(左)の方が厚みがあります。前足部で4mm、踵で1mm厚くなりました。これにより4%フライニットでは前足部と踵部で11mmあった差(オフセット)がネクストでは8mmに縮まりました。4%フライニットもヒールストライク(踵着地)走法向けではなく、ミッドフット〜フォアフットのランナーが踵を着くことで推進力を得られるためにこの差があったものと思われますが、ネクストでは差が縮まったことで、よりミッドフット〜フォアフットのランナー向けのシューズになったと言えます。また、この変更により登りにも対応できるようになりました。4%は登りに向かないと前述しましたが、2019年の箱根駅伝では山登りの5区は1人も履いていなかったのに対し、2020年はネクスト%だらけだったことがそれを証明しています。なお、この厚みはクッション性が高いながらもエネルギーリターン率も高いと言われる、ズームXフォームを増量したことによります。ズームXは2019年7月現在、ヴェイパーフライシリーズとペガサスターボシリーズにしか入っていない、ナイキの最上位のミッドソール素材です。ヴェイパーフライシリーズには、発泡スチロールのように柔らかいズームXフォームに挟み込まれるようにして硬いカーボンファイバープレートが入っています。ミッドソールの間のラインのところがカーボンファイバープレートで、外から触っても硬さがわかります。カーボンファイバープレートはズームフライフライニットとズームフライ3にも入っていますが、どちらもリアクトフォームとの組み合わせであり、ズームXフォームは入っていません。つまり、このカーボンファイバープレートとズームXの、硬さと柔らかさのコラボレーションこそがヴェイパーフライシリーズが最高のシューズである所以です。次にアッパーの素材です。4%フライニットではその名の通りフライニットが採用されていましたが、ネクストではヴェイパーヴィーヴという新しい素材が使われています。見た感じ、後ろが透けて見えるほどの薄さで軽いのは見た目にもわかりますが、心配なのは耐久性です。ズームXの増量により、ミッドソールが重くなった分、アッパーは軽くなっているのは明白ですが、洗ったら破けてしまうのではないかというくらいの薄さです。靴の中に入れた指が透けて見えます。当然ですが靴下も透け透けです。また、4%フライニットはややきつめの作りでしたが、フライニットが伸縮性があることで同じサイズで履けました。しかし、ヴェイパーウィーヴはフライニットと違って伸縮性がないためワンサイズ上を購入した方が良いという意見もありますが、むしろフライニットの締め付け感もなく、足先もゆったり目に感じるため、私は同サイズをおすすめします。左のネクストの方がむしろ緩めです。ヴェイパーウィーヴはシワが結構寄ります。フライニットの弱点としては、水分を良く吸うことで、私も雨の東京マラソン2019ではその弱点を体感しました。その弱点を補うことで生まれたシューズであるため、撥水性は高く、それでいて通気性はフライニットと同等です。次にアウトソールの違いです。ほぼフラットだった4%フライニットの弱点とも言えたのがアウトソールで、グリップが弱く雨で滑ったり、横の動きに弱いところがありました。左がネクストです。ネクストでは前足部と中足部に少し段差があり、前足部にも溝があることで滑りにくくなっているようです。デュオソールほどのグリップ感はないにしても4%フライニットより安定感はありそうです。また、後足部は真ん中のスウッシュマークのあたりが窪んでいて、その両脇のピンクの部分は白いズームXの部分と違って硬い素材で出来ています。この後足部の仕様変更は、横滑り防止のためのものと思われます。その他の変更点です。シューズ内側の踵の部分ですが、ネクストにはクッション素材がついています。4%フライニットは踵が浅く、走っていて脱げそうになる感覚がありましたが、これはそれを防止するためでしょう。ホールド感がかなり高くなりました。また、フライニットではなくなったため、シュータンが出来ました。シューレースはつま先にいくにつれて外側に斜めになっていますが、これは靴紐を強めに締めても足の甲にかかる圧力をやわらげるためです。一番足首側のシューホールは内側・外側ともに2つずつあるので、緩ければここで調整はできます。最後に履いた感触です。ズームXフォームを4%フライニットより15%増量したというクッションの良さ。それは履いてすぐにわかるほどです。特に前足部は明らかに違います。また、4%フライニットは履いて歩くだけでも前に押し出される感じがありましたが、ネクストにそれは感じませんでした。オフセット(前足部と踵部の差)が3mm縮まったせいだと思います。そして走った感触ですが、増量されたズームXの分、前に跳ねるように進む感触がありました。4%フライニットでももちろん同じような感触はありましたが、ネクストはそれを上回ります。ただし、柔らかさは4%フライニットの方が感じます。ズームXを増量した分、ネクスト%の方が柔らかいのかと思いましたが、ズームXの密度を濃くしているようでむしろ硬く感じました。試しに流しでデータを比較してみました。以下、ガーミン935のランニングダイナミクスの結果です。↑こちらはネクストです。↑こちらは4%フライニットです。ネクストの方が4cmストライドが長いです。たまたまということもありますが、200mほど走った上にピッチは同じくらいなので同じような走りをしていたと思います。平均で4cmの差というのは意外と大きいです。1分間のピッチが190と仮定すると、1分で7m以上の差になるわけです。履き心地は4%フライニットの方が柔らかくて私は好きですが、記録を狙うならネクスト%の方が良さそうです。26.5cmで207gです。見た目と違ってすごい軽さです。数字以上に軽く思えます。アッパーにはフライニットの一種「アトムニット」が使われました。拡大して見るとこんな感じで、中に入れた指が完全に透けて見えます。編み目はフライニットより大きく、給水性は低そうですが、雨は中に入ってきそうです。撥水性という点では、ヴェイパーネクストのヴェイパーヴィーヴの方が上です。また、フライニットほどの伸縮性はありません。続いてミッドソールを見ていきます。上がヴェイパーフライネクスト%、下がアルファフライネクスト%です。こうして見るとわかりにくいですが、ヴェイパーネクストよりミッドソールは厚みを増しています。ヴェイパーネクストは前25mm・かかと32mm、アルファフライは前31.5mm・かかと39.5mmの厚さですが、かかと部分は新規制の40.0mmギリギリの厚さです。続いてアウトソールです。エアズームポッドのついた前足部が分離したような形状になっています。後足部のこの部分はズームXで非常に柔らかいです。エアズームポッドの向こうにはカーボンファイバープレートが剥き出しになっています。FLYPLATEという文字が確認できます。続いてシューレースとシュータンです。ヴェイパーネクストと比較するとわかりやすいですが、シューレース(靴紐)がギザギザしたタイプになりました。ヴェイパーフライは4%もネクスト%もシューレースがほどけやすいという意見が多かったため、アルファフライではほどけづらいシューレースが採用されたものと思われます。足の甲に負担をかけないよう、ななめに配置されたデザインには変わりなさそうです。また、シュータンは4%フライニットと同じくシューズと一体型になりました。そしてサイズ感ですが、これほど狭い履き口は他に類を見ません。アトムニットも伸縮性がないので、すっと足を入れられた4%フライニットとは大きく違います。新しくシュータンについた輪っかとかかと部分についた輪っかを持って前後に広げながら足を入れるとうまく入ります。また、いったん足を入れてしまえばサイズ感としては他のシューズと一緒です。履くのが難しい分、ホールド感はかなり高いので、サイズは上げない方が良さそうです。なお、かかと部には内側に滑り止めのクッションがついています。これは4%フライニットのホールド感の悪さを補うため、ヴェイパーネクストからつけられましたが、ホールド感アップに一役買っています。後足部は柔らかくて気持ちがいいですが、ぐにゃぐにゃして不安定です。そして最後に実際に履いてみた感想です。歩く分にはクッションが気持ちいいですが、走る時には着地部分によって感触がかなり異なります。前足部についているエアズームポッド部分で着地すると安定感があり、ものすごい反発力を得られます。しかし、かかとから着地してしまうとクッションがありすぎるため、エネルギーは前より横や上にブレてしまう感じがあります。加えてその不安定感から足首にかかる負担は大きくなります。履き心地はヴェイパーネクストよりヴェイパーフライ4%に近いです。ヴェイパーネクストはズームXの密度が高いのか4%より全体的に硬く感じましたが、アルファフライは4%の感触に戻った感じです。ヴェイパーネクストは「ペコンペコン」という音を鳴らしながら、かかと着地で走るランナーも結果を出していました。いわば万人受けするシューズでしたが、アルファフライは前足部・中足部で着地しないと絶対にうまく走れない玄人向けシューズです。ヴェイパーフライ4%は、ヴェイパーフライネクスト%より合わない人が多かったように思います。しかし、アルファフライはさらに履き手を選ぶシューズと言えそうです。エアズームポッドはすごい反発力を生みますが、そこで着地できないのであればただの重りになってしまいます。距離問わないロードの練習用シューズです。初めて履いた時には、立っているだけで前に進めと言わんばかりの力を感じます。ゆっくりめに走ったつもりでも思ったよりスピードが出ます。おそらく厚底でオフセット(前足部と踵部の差)が大きいため、接地時が常に前がかりになり、自然に脚が前に出ているのかと思います。これはナイキの厚底シューズの特徴でヴェイパーフライにも共通するところですが、最も違うのはその重さです。また、走り始めは勝手に進む感じですが、疲れてくると233gの重さが気になります。最初はレース用として使用していましたが、やはり疲れてくると推進力はなくなり、重さもあって脚が前に出なくなってくる感じがするため、練習用シューズに切り替えました。インソールが少しツルツル感じがするので普段履きには気持ちいいのですが、疲れてくると走りのエネルギーが横ぶれしてしまうように感じます。このシューズの良い点としては、クッションがあるため長時間走っても足裏が痛くならないことです。そのためロードでの練習用としては脚にも優しそうでおすすめです。ただ、誰にもおすすめというわけではなく、かかと着地の人や非力な人には向かないと思います。私はもともとかかとをほとんど着地しない走り方なので前がかり気味に着地できるのですが、かかとから着地している人は後傾気味になってしまい、厚底による前への推進力を得ることができません。また、疲れてくると重さを感じてしまうので、女性など非力な人にはおすすめできないシューズです。後述するズームフライ フライニットとは似て非なるシューズと思った方が良さそうです。ズームフライのアッパー部分をフライニットにしたモデルです。フライニットになったことでアッパーは軽量化され、通気性は良くなった分、雨の日には水をよく吸収して重くなるのと、寒い日には指先の感覚がなくなってしまうというデメリットがあります。履き心地は初代ズームフライとはだいぶ違います。こちらはヴェイパーフライと同じカーボンファイバープレートが入っており、弾むような感覚が味わえます。(初代ズームフライはナイロンプレート)ミッドソールは初代ズームフライのルナロンからリアクトに変更されました。ルナロンよりリアクトフォームの方が重いですが、クッション性に優れているように思えます。シューズの重量自体もこちらの方が初代ズームフライより若干重いのですが、むしろ軽く思えます。カーボンファイバープレートの反発力がそう思わせているのではないかと思います。それくらい反発力に優れながら、厚底でクッションもしっかりあるのが特徴です。つまり、前作と比べるとリアクトでクッション性を強化し、カーボンプレートで反発性を強化し、フライニットでアッパーを軽量化したシューズです。ただ、疲れてくるとだんだんその重さが気になってくる点は初代ズームフライと一緒です。特にヴェイパーフライを履き慣れていると、その差を感じてくるのは後半です。また、登り坂にはその推進力が使えないため、アップダウンの多いコースではおすすめできません。ズームフライ3という商品名ですが、実はズームフライ2という名前の商品はありません。2に該当する前作は、ズームフライ フライニットです。(spファストというモデルもありましたが、これは数に含まれていないようです)また、ズームフライシリーズには、ヴェイパーフライシリーズと同様にズームエアが入っていません。ヴェイパーフライにはズームXが入っているため、ズームランニングシューズという位置づけだと思われますが、ズームフライが何故「ズーム」なのかは正直よくわからないところです。重量は26.5cmで256gとやや重めです。こちらは初代が233g、フライニットが239gだったので、233g→239g→256gと代を経るにつれて重くなっています。ズームフライ3はレーシングシューズという位置付けのシューズですが、256gはそれにしては重めです。初代はナイロンプレートにルナロンソール、フライニットはカーボンファイバープレートにリアクトソールで、重量は若干フライニットの方が重いながらも初代の方が重さを感じました。ズームフライ3はフライニットと同じくカーボンファイバープレートにリアクトソールですが、シルエットはガラッと変わりました。まずはアッパーですが、フライニットではなくなり、ネクスト%にも採用されたヴェイパーウィーヴという素材が使われています。フライニットより通気性が良いのに雨や汗を吸水しないというのが特徴です。フライニットが雨や汗をよく吸って重くなるという問題を解決するために開発された素材ですが、ネクスト%よりアッパーが厚めです。これはヴェイパーウィーヴ自体の厚みではなく、ヴェイパーウィーヴの下にもう1枚インナーがあるという意味での厚さです。ヴェイパーウィーヴ自体はネクスト%と同じくペラペラです。しかし、ズームフライ3ではインナーが入っている分、通気性は落ちるのでは?という気がします。上から見ると全く別モノのシューズということがよくわかります。アッパーの素材の違いはこうして見るだけでも違うのはわかると思いますが、サイズ感も違うように思えます。どちらも26.5cmですが、左のズームフライ3の方が大きく見えます。実際足を通した感じも右のフライニットの方がきつく感じますが、フライニットは伸縮性が高いため、ぴったりの方が良かったと思います。フライニットではなくなることでワンサイズ上をおすすめされてたりしますが、作り自体がフライニットよりゆったり目なため、私は同じサイズの方がいいと思います。次にミッドソールの違いです。前述した通り、リアクトフォームにカーボンファイバープレートが入っている点はフライニットと同じですが、厚さが増しているのは画像からもよくわかると思います。踵部で1mm、前足部で4mm厚みが増していて、フライニットでは11mmあったオフセット(前足部と踵部の差)が、8mmに縮まりました。これによって、よりフォアフット・ミッドフット向きのシューズになったと言えます。このオフセットの変更はヴェイパーフライ4%→ネクスト%の変更と一緒です。厚くなった部分はフォームが増量されているのですが、ネクスト%がズームXなのに対し、ズームフライ3はリアクトで、リアクトの方が重いため重量が重くなっているのだと思われます。アウトソールもフライニットから大きく変わりました。フライニットはほぼフラットな設計でグリップが弱く雨の日の横滑りが心配でしたが、ズームフライ3では前足部が分かれて溝ができ、踵部分も真ん中が少し凹み両脇が硬め(黒い部分)になっていて、前作のグリップの弱さは改善されたと思います。こちらはネクスト%との比較ですが、デザインこそ違えど、シルエットとコンセプトは同じようです。それでは肝心の履き心地ですが、前作と比べると格段に上がったクッション性を立っているだけでも感じます。オフセットが変更になった分、立っているだけで前に進ませようとするほどの傾斜は感じなくなりましたが、圧倒的に前作より強いクッション性と反発力があり、その重さを感じさせません。そのため、自分で思っていたよりスピードは出るのですが、やはり疲れてくると重さを感じてしまいます。これは私にとってはヴェイパーフライ(ネクストも含め)にはなく、ズームフライにはある感覚で、その重さ故に仕方ないと思っています。また、リアクトも柔らかさを感じますが、ネクストのズームXよりは硬さを感じます。ネクスト%と履き心地も似ていて耐久性も高いため、本番はネクスト・練習はズームフライ3という使い方が最もおすすめです。前作ズームエリート8から大幅なモデルチェンジをしたズームエリート9。完全なるトレーニングシューズ仕様だった8に比べ、かなり軽量化されたモデルになりました。高反発クッションのズームエアを前足部に搭載しているため、前足部・中足部で着地するランナー向けのシューズです。ミッドソールにはクシュロンLTという軽くて弾力のある素材を使用していますが、ファイロンソールのズームスピードレーサーやズームストリークよりクッション性を感じます。ヒール部分にもそこそこクッションはありますが、ズームエアは後足部には入っていないようで、かかと着地のランナーには向いていません。また、スピードレースやスピード練習によく用いられる軽量のズームストリークと比較しても、このシューズの能力は遜色ないと思われます。その一番の売りは前足部の反発力です。フラットなソールで足裏全体で地面を掴むタイプがズームストリークやスピードライバルなら、素軽くかかとを着かずに進んで行くのがズームエリートです。とはいえ、レースに使うには少し重さもあるのが微妙なところです。ズームエリート9がエリート8から大きく変化したのに比べ、9から10はマイナーチェンジです。デザインは若干アッパーのメッシュ部分が異なりますが、アウトソールや履き心地は一緒です。なのでシューズのレビューはズームエリート9の章を参照してください。9が好きなシューズだったので10も変わらなくて良かったなと思いますが、アッパーが変わっただけで重量が増えたのなら、むしろ改悪?という気もしていまいます。ズームエリートと同じくスピードorロング、トラックorロードのどの練習用としても使える、汎用性が高いシューズです。見た目はだいぶ違いますが、機能的にはズームエリートと似ているため、比較対象とします。まず、ミッドソールにクシュロンLTを使用している点は一緒です。違うのはズームエアをヒール部分にも搭載しているという点(ズームエリートは前足部のみ)と、それでいて重量は若干スピードライバルの方が軽いという点、やや幅広感があるという点です。アウトソールはかなりフラットで、ヒール部分にもズームエアが搭載されているため、かかと着地気味のランナーにも向いています。フラットなアウトソールという構造は、後継モデルとなるズームライバルフライにも受け継がれているようです。(ソールの画像はズームライバルフライの章を参照してください)フォアフットorミッドフット着地の方の練習用にズームエリートが向いているのに対し、フラットな着地の方の練習用にスピードライバルや後継モデルのライバルフライが向いていると思います。スピードライバルの後継モデルとしてフルモデルチェンジしたモデルです。ということで並べて比較してみます。左がライバルフライで右がスピードライバルですが、幅広だったスピードライバルに比べ、ライバルフライは見た目にも幅が狭くなったのがわかります。かと言って、特別にスリムなわけではなく、通常のナイキのモデルと同じ程度です。横から見るとだいぶ厚さが違います。上から見たのとは逆に、こちらはライバルフライの方がミッドソールが厚くなっており、このへんが重量の差に表れているのでしょうか。ライバルフライの方がスピードライバル6より11gほど重量は重い(26.5cm自分調べ)です。最近の厚底ブームを受けてか、このシューズもやや厚底になっていますが、ミッドソールはクシュロンLTです。クシュロンLTの厚底はナイキズームランニングシューズの中でライバルフライだけです。クシュロンLTはズームXやクシュロンSTほどではないにしろ、柔らかさが感じられるクッションです。また、ヴェイパーフライやズームフライのようにシューズの傾斜感もなく、フラットな履き心地です。しかし、かかと部分のズームエアはなくなり、前足部のみ搭載となったため、フォアフット・ミッドフットの走り方の方が合いそうです。アウトソールもスピードライバルからだいぶ変わりました。スピードライバルは柔らかく、ライバルフライは硬めです。このソールにある溝(フレックスグルーブ)によって、雨でも問題ないグリップ感があります。レーシングシューズという位置づけのシューズのようですが、反発力がそこまで強いわけでもなく、耐久性はありそうなので、練習用の方が適しているのではないかと思います。スピード練習にもロング走にも使え、レース用としても使える汎用性の高さがあるシューズですが、特筆して良い点がないとも言えます。このシューズの一番の魅力は価格でしょうか。価格が高騰していくナイキのランニングシューズの中で、1万円を切って買える(定価9,180円)のは魅力的でしょう。2019年の春先にズームスピードライバルの後継モデルとして発売されたライバルフライですが、冬にはもう2が発売されました。まず、重さは26.5cmで207gです。初代ライバルフライより3g軽くなりましたが、ほぼ同じと思って良いでしょう。上から見るとこんな感じです。初代ライバルフライと比べると違いがわかるでしょうか?シューレースが斜めに配置されています。この仕様はヴェイパーフライ ネクスト%と同じで、紐を強めに結んだ時に足の甲にかかる負担を減らすことに有効です。また、アッパーの外側の素材も前作のメッシュからトランスルーセントに変更されています。(内側はメッシュです)通気性はメッシュに比べて落ちそうですが、保水性は低そうな素材で、つるつるとした感触です。ペガサスターボ2のアッパー素材と似ています。左がライバルフライ2、右が初代ですが、ミッドソールに変更はなさそうです。ミッドソールの素材はクシュロンLTです。クシュロンLTはズームエリート10やズームストリークLT4などのレーシングシューズに、薄底ながらも軽量かつ弾力のあるクッションを持たせるために使用されるものと思ってましたが、ライバルフライには厚底のクシュロンLTが使用されています。厚底のクシュロンLTはナイキのズームランニングシューズの中でライバルフライシリーズだけです。レーシングシューズという位置づけですが、反発性はそこそこという感じで、クッション性の方が高く、中上級者には反発が物足りないかな?という感じがします。実際、私も練習用シューズとして使用しています。アウトソールは前作と全く変更がありません。フラットな履き心地ですが、前足部にはズームエアを搭載し、フレックスグルーブ(溝)があるため、フォアフット・ミッドフットで走るランナー向けです。このフレックスグルーブは、スピードレーサーにあるようなデュオソールほどのグリップ感まではありませんが、濡れた路面を苦にしない程度のグリップはあります。土やタータントラックより、ロード向きのシューズという印象です。なお、ワイドタイプも発売されているため、購入時は注意してください。26.5cmで178gと、ヴェイパーフライ4%の182gを凌ぐ軽さが魅力の薄底シューズです。ナイキの軽量シューズと言えば、おそらくズームストリークの方が有名でしょうが、私はスピードレーサーの方が好きです。スピードレーサーはソールが薄く軽いので、トラックのレースや練習用、短い距離のロードレース用として履いています。特にトラックには向いているシューズです。このシューズの魅力は「軽さ」と「反発力」と「グリップの良さ」です。10kmからフルマラソンまであらゆる勝負レースで使用していましたが、フルマラソンを走るにはクッション不足というシューズでしょうか。ミッドソールはファイロンで、クッションはほとんどない分、反発力は抜群なので、脚が攣らない方や体重の軽く、ヴェイパーフライが合わないという方はフルでもいいと思います。(ヴェイパーフライが発売される前は私もこちらを履いていました)アウトソールは前足部と中・後足部が分かれています。前足部はデュオソール(ブツブツしたやつ)のおかげでグリップ感がとても良いので、フォアフット・ミッドフット着地のランナーにはおすすめですが、耐久性はあまりありません。また、後足部はクッションは少ないですが、ズームエアが入っています。スピードレーサーは日本企画であるためか、かなり薄底のシューズです。速いランナーは薄底を履くというイメージは日本独特の観念かもしれません。最近になって厚底がブームのようになっていますが、実は世界的には昔からわりと厚底シューズがトップランナーにも好まれていました。ところが日本でも厚底がブームになったことで、スピードレーサーのような薄底シューズの需要が減っているものと思われます。このあたりがスピードレーサー7がなかなか販売されない理由なのでしょう。スピードレーサー6に並ぶ軽量モデルです。重さも一緒。スピードレーサー6 よりミッドソール分が重く、アッパー分が軽いので、重量が同じなのだと思われます。こちらの方がミッドソールも厚いため、ややクッション性が高く、反発力は低い感じがしますが、ミッドソールの素材は同じファイロンです。アッパー部分が薄いため、通気性は良いのですが、その分破けやすかったり、冷え症の私としては冬には使用しづらいモデルです。風の強い日はここから風を感じるほどの通気性です。アウトソールもこんな感じにフラットで硬く、グリップの良いタイプではありません。フラットな着地で、足裏全体で地面を掴みに行くような走りが向いていると思います。ズームエアは後足部に入っています。真ん中部分には穴が空いて凹んでいますが、軽量化のためでしょうか?滑りにくくするためというわけでもなさそうです。レース用に設計されたシューズだと思いますが、耐久性のありそうなアウトソールはむしろ練習向きではないかと思います。ただし、アッパーが破れ、先に寿命を迎える可能性はあります。ちなみにヴェイパーフライ4%の4%アップする基準になったのはこのシューズと比較してのことであり、ちょっと可哀想な感シューズです。前作ズームストリーク6からマイナーチェンジです。ミッドソールやアウトソールはストリーク6と変わらなそうです。異なるのはアッパー部分です。メッシュの穴の大きさが違うのはお分かりでしょうか?6はこの穴が大きいため、ミッドソールやアウトソールより先にアッパーが破れてシューズの寿命を迎えるほどアッパーが弱い印象でしたが、7はここが強化されたのだと思います。重量は5gほど重くなっていますが、この程度であれば私としてははるかに7の方が良いです。通気性は7でも充分です。というかむしろこのくらいの方がいいです。アウトソールはグリップが強くないので改良の余地がだいぶありそうな気がしますが、変更はありませんでした。ズームストリークはスピード練習にもスピードレースにも使われることの多いモデルですが、私はスピード練習に、ズームエリート10やズームフライ3と履き分けて使用する程度です。ズームエリートは前足部、ズームストリークは後足部にズームエア搭載ということもあり、ズームエリートの方が重いながらも私にとってはスピードを出しやすいのは、走法の問題もあると思います。また、軽量モデルとしては前述のスピードレーサーの方がグリップ感が強くてレース向きで、ストリークの方がクッションがあるので練習向きだと思います。ソールもフラットなので、前足部にデュオソールのあるスピードレーサーの方がフォアフット向き、ストリークの方がミッドフット向きです。(ズームエアはどちらも後足部搭載)LTとはlightの略で、軽量モデルであるズームストリークをさらに軽量化した、ナイキ最軽量モデルです。左がズームストリーク6、右がズームストリークLT4です。デザインの違いはあれど、上から見た感じは似ていますが、アウトソールは全くの別物です。また、ミッドソールはストリークがファイロンなのに対し、ストリークLTはクシュロンLTです。ファイロンよりクシュロンLTの方が軽く、クッション性はあり、反発性は低いですが、ソール自体が薄いためにクッション性はあまりありません。後足部にズームエアが入っている点はストリークと一緒です。また、若干きつめな作りです。他のシューズと同じく26.5cmを履いていますが、小指の付け根やつま先部分が痛くなったりきつく感じることがあるため、ワンサイズ上の方がいいかもしれません。設楽悠太選手もヴェイパーフライを履く前はこの前のモデルであるズームストリークLT3を履いていましたが、よほど力のあるエリートランナーかトラックでのレース以外にはおすすめしません。アウトソールは前・中・後と分かれており、前足部のみグリップ感のあるタイプなのは私の好みです。しかし、反発力という点ではスピードレーサーの方が上だと思うため、トラックレースではストリークLTよりスピードレーサーを愛用しています。26.5cmで252gと重量はありますが、ジョグ用に最も愛用しているシューズです。インソールのつま先部分(シューズの中の前側)の感触が良く、歩いていても指の付け根部分が気持ち良かったりするので普段履きにもおすすめです。後述するズームストラクチャーよりクッション性では劣るかもしれませんが、反発力や柔らかさでは上回っており、とにかく履き心地の良さという点で私のNo.1シューズです。また、インソールもやや湾曲しているのか足裏にフィットする感覚があります。ここからは前作と比較しながらレポートいたします。上から比較してみます。左が35、右が36です。大きく変わったのはアッパーです。エンジニアードエリートメッシュアッパーというアッパーを採用しており、より通気性が高く軽量になっているようです。履き口もよりスリムになった感があります。また、ベロの部分(シュータン)がかなり薄くなり、左右非対称となりました。外側が若干長い感じです。軽量化という点からも良いのでしょうが、脚に当たる感覚がより良くなったと思います。アウトソールには変更がなさそうです。ミッドソールも変更はなさそうです。このミッドソールに使われているクシュロンST がペガサス特有の柔らかさを生み出していると思われます。また、ズームエアもフルレングスで入っており、クシュロンSTの柔らかさに反発性を加えています。(そうは言っても反発性の高いシューズではありません)前作35もそうでしたが、私にとっては重さを感じさせないクッションの良さと全体的な柔らかさを持っていて、普段履きやジョグ用に最高のシューズだと思います。35から36はマイナーチェンジでしたが、37は大幅に変更されました。重量は26.5cmで263gです。前作のペガサス36より11g重くなりました。アッパーはエンジニアードメッシュからトランスルーセント+エンジニアードメッシュに変わりました。(左が37、右が36)この「トランスルーセント+エンジニアードメッシュ」という組み合わせはライバルフライ2やペガサスターボ2と同じで、現在のナイキ主流派と言えるでしょう。特徴としてはメッシュだけのほうが通気性は良いものの、トランスルーセント+エンジニアードメッシュの方が防風・防寒にはなるかなという気がします。次にミッドソールの違いです。ここが今回一番の変更点ですが、素材がクシュロンSTからリアクトになり、厚さは前足部・後足部ともに2mm厚くなりました。また、フルレングスで入っていたズームエアは前だけになり、量は倍増されたようです。実は発売前の公式発表を見た時に、ミッドソールの変更が一番残念なポイントだと思っていました。なにより私の大好きなミッドソール素材であるクシュロンSTでなくなってしまうからです。これでクシュロンSTを単独でミッドソールに持つズームランニングシューズはなくなってしまいました。(ズームストラクチャー22はクシュロンSTとファイロンの2層)最近のナイキはリアクト推しですので仕方ないかとは思いますが、リアクトは耐久性がある反面、重さが気になるところです。また、リアクトはクッション性も反発性もあるというのが売りのようですが、クッション性においてはクシュロンSTの方が上だと私は思っています。アウトソールも変更点は多いです。特筆すべきところはありませんが、踵部の真ん中のところ(白い部分)は少しえぐれたようになっています。これも最近のナイキの流行りですね。シューホールやシュータンも変更されています。ペガサス36のシュータンはペラペラでしたが、ペガサス37には合成素材が使われ、補強された感じです。そして実際に履いてみた感じですが、思った以上にクッション性を感じます。厚さが同じであればペガサス36の方がクッション性はあると思うのですが、それでも2mm厚くなったことで想像以上のクッション性でした。踵に力を入れると、リアクト独特とも言えるグニャっとした感じが良くわかります。ペガサス36は足を入れた時にシューズが包み込んでくれるような柔らかさがありましたが、ペガサス37もそれに近い感覚を味わえます。シュータンが変更されたからかホールド感はペガサス37の方が上です。そして走った感触です。やはり前足部の倍増ズームエアが効いているのか反発性は結構感じます。今までのシューズで厚底リアクトにズームエアという組み合わせはなく、相性が悪いのかと思ってましたが、そうではなさそうです。オデッセイリアクト・エピックリアクト・リアクトインフィニティランなどのリアクトランニングシューズのシリーズはいずれもズームエアとカーボンプレートのないシューズだったので、反発の足りなさを感じていました。反発を出すためにはズームフライ3のようにカーボンプレートを入れないといけないかと思ってましたが、厚底リアクト+ズームエアは想像以上に反発性がありました。なお、ズームボメロ14はリアクト+ズームエアですが、こちらは前足部のリアクトフォームがペガサス37より薄く、ズームエアも必然的に少ないため、それほど反発性の高いシューズではありません。比較するとこんな感じです。右はズームボメロ14です。後足部のソールは厚いですが、前足部はペガサス37よりだいぶ薄いです。このことから、ペガサス37の反発性はリアクトというより倍増のズームエアが生み出していると言えます。さて、ではペガサス36と37のどちらがいいかという点ですが、これは甲乙つけ難いところです。デザイン的には圧倒的にペガサス36が上だと思ってます。カラーやアッパーの見た目はこれまでのペガサスシリーズだけでなく、ナイキのランニングシューズの中で随一です。機能的にはペガサス37の方が上ですが、これは何を求めているかにもよるかと思います。普段履きやジョグ用として愛用していた私にとっては反発性は不要かつそこまでクッションがなくても良いため、ペガサス36の方が好みです。しかし、オールインワンシューズとしての機能性を期待する初心者やクッション性をより重視する方などはペガサス37の方が良いというところでしょうか?ヴェイパーフライ4%のミッドソールにも使われているズームXを使用しているのがこのシューズの売りです。ズームXはナイキの説明によると、エネルギーリターン率が高いというのが特徴のようですが、反発性よりもクッション性の高さの方を感じます。ペガサスターボはヴェイパーフライからカーボンファイバープレートを抜いたシューズです。プレートがないため、ヴェイパーフライのような跳ねはありませんが、クッション性は高いです。また、シューズの耐久性は800kmという触れ込みです。通常600kmと言われる平均的なシューズの耐久性より長いのはズームXを採用しているからと思われます。シューズの重量は結構あり、反発もそこまでではないため、スピード練習用としては向いてなさそうです。長めの距離のペース走向きでしょうか。ただ、あまり長い距離を走るには通気性が悪いのが弱点です。特につま先部分についている帯のようなラインの部分は通気性が全くなく、ただのデザインのようです。ヴェイパーフライが硬さと柔らかさを併せ持つシューズであるなら、ペガサスターボは柔らかさを極めたシューズです。26.5cmで209gです。前作のペガサスターボより12gほど軽くなりました。前作は通気性の悪さが指摘されるようなアッパーでした。生地も厚めで真ん中には帯のようなラインがありました。(写真右)この帯の部分は通気性ゼロなので、これがなくなっただけでも通気性は良くなりました。最も変わった部分は足首周りではないでしょうか?生地が明らかに薄くなりました。ペガサスターボの足首周りは、ビギナー向けシューズのズームストラクチャーのように厚手でしたが、ターボ2では極端に薄くなりました。かかと部分のとんがり感もなくなり、よりフィットするようなタイプになりました。かかとは反対から見たほうがわかりやすいでしょうか?シュータンも大きく変わっています。ごく普通の厚手のシュータンだった前作と違い、ターボ2は極端に薄くなっています。また、伸縮性があるため、少しきつめに紐を結んでも足の甲が痛くなりません。同じ26.5cmですが、ターボ2はひと回り小さくなった感があります。ただ、この写真はかかとのとんがり感の違いによる目の錯覚のようなところもあり、私は同じサイズでちょうど良い感じです。前述したように足首周りの生地が薄くなり、シュータンが薄く伸縮性のある生地になったため、ぴったり足にフィットするようにはなりましたが、サイズは上げない方がいいと思います。ミッドソールは前作と同じくズームXフォームで、非常に柔らかいクッションを感じます。厚さも同じで変更はなさそうです。耐久性も800kmあると言われた前作と同じようです。アウトソールも全く変更はありません。上から見るとサイズ感が違うように見えますが、下から見ると全く一緒です。ミッドソールとアウトソールの変更がないだけあって、クッションと反発の感じは前作と同じようです。ミッドソールに使われているズームXフォームは、2019年7月現在、ヴェイパーフライシリーズとペガサスターボシリーズにしか使われていないナイキ最上級のクッションです。履き心地は柔らかく、クッション性の高さを感じますが、反発は言うほどなさそうです。ズームXはその高いエネルギーリターン率というのが特徴とのことですが、ヴェイパーフライシリーズで感じる独特の跳ねは、ズームXだけでなくカーボンファイバープレートがあってこそのものなのでしょう。プレートの入っていないペガサスターボシリーズは柔らかさしかないため、ヴェイパーフライシリーズで感じるような跳ねる感覚は残念ながらありません。ちなみに反発性を増すズームエアも入っていません。ターボ2はターボと比べてもさらに柔らかさを向上させています。インソールやアッパー、シュータンの感覚も柔らかく、そして軽量になったため、とにかく柔らかいという印象です。人によっては同時発売されたズームフライ3よりターボ2の方がレース向きだと言う人もいますが、私はそうは思いません。確かにズームフライ3より軽量ではありますが、やはりターボ2は練習用のシューズです。柔らかく衝撃吸収には長けていますが、反発力はズームフライ3に劣ります。また、ターボ2は練習用とは書きましたが、スピード練習には向いていません。理由は何度も言うように反発力が足りないからです。最も向いているのはロードでの長距離のペース走ではないでしょうか?前作のターボは通気性が悪かったため、距離走の後半になるとシューズが重くなってくる感じがありましたが、ターボ2はその部分も解消されたため、より向いていると言えるでしょう。ペガサスターボの221g、ペガサスターボ2の209gに比べて当然ながら重いです。ただし、ズームフライ3より軽いくらいなので、防水シューズとしてはかなり優秀な軽さではないでしょうか?上から見るとこんな感じですが、チャックを開けると普通のシューズが中に入っているかのようです。中のアッパーはメッシュです。拡大するとこんな感じです。ペガサスターボのミッドソールと言えばズームXです。ウォータープルーフにもしっかりズームXと書かれています。アウトソールはフラットで、ペガサスターボやターボ2と同じようです。履き口はこんな感じで2層になっています。シューズの中にシューズが入っている感じです。チャックを閉めた後、マジックテープで留められるようになっています。試しに本降りの日に使ってみました。上下はウインドブレイカーを着ていましたがびしょ濡れです。シューズの外側は濡れましたが、1時間ほど走ってもシューズの中に雨は全く入らず、温かいままでした。シューズの感触としても、ズームXの柔らかさをよく感じます。着地衝撃や反発に関してはズームペガサスターボとなんら変わらないと思います。ミドルカットのため、足首周りは少々気になるものの、足首への当たりは柔らかいです。走り終えてから重さを計ってみましたが、約20g増でした。外側が濡れただけであって、中は濡れていません。加えてほぼペガサスターボの履き心地ということを考えると、雨のフルマラソンのレースであれば使用するのもありかと思います。初心者向けの入門シューズとしてよくおすすめされているシューズです。ナイキにしてはやや幅広な感じがあり、クッション性はやはり高いです。かかと部分のクッション性が抜群なタイプですが、前足部にも充分なクッションがあり、初心者用におすすめされるのも頷けます。また、幅広が苦手な私もこの程度であれば気にならないので、普段履きからジョグ用にまで使用しています。クッション性という点では私のお気に入りのズームペガサスを凌ぎます。しかし、足を入れた時のインソールの感触は、柔らかく足に合わせて包んでくれるようなズームペガサスと違い、やや硬さを感じさせる気がします。重さは26.5cmで278gです。特徴は前作までと同じく初心者向けにクッション性の高いシューズです。前作のズームストラクチャー21より7g重くなってます。左が22、右が21ですが、上から見ると見た目は結構変更点があります。横から見たデザインも結構変わりました。22は内側に合成樹脂が使われていますが、ミッドソールの厚みや機能には変更がなさそうです。反発性に優れるファイロンと弾力性に富むクシュロンSTの2種類の素材がミッドソールに使われています。また、見づらいでしょうが、どちらもミッドソールに「DYNAMIC SUPPORT」と書かれています。これはクッションもさることながら、オーバープロネーション対策が施されているという意味があるようです。ナイキのランニングシューズの現行モデルでこれが搭載されているのはズームストラクチャーだけです。裏から見た比較です。こちらは全く変更がなさそうです。ちなみに21も22もアウトソールは外側より内側の方が硬くなっていますが、これはオーバープロネーションを矯正するための仕様と思われます。また、前足部には高反発のズームエアが搭載されています。しかし、かかとのクッション性がかなり厚いというところからも、かかと着地の人向けのシューズです。前作の方がデザイン的には好みでしたが、機能的にはあまり変わらないというイメージです。初心者用によくおすすめされるシューズですが、ちょっと重いこともあり、極端なかかと着地でなければペガサスやボメロの方が私はおすすめです。ミッドソールに今はほぼ無きルナロンを搭載し、ズームエアを前後に配置した安定性のあるジョグ用のシューズです。やや幅広という説明もありますが、そうは感じません。ズームストラクチャーの方が幅広感を感じます。足を入れるとややゴツゴツした硬い感じがあり、フィット感や安定性はズームストラクチャーの方がありそうです。しかし、中の硬さとは逆にクッションは抜群です。前足部にもかかと部分にもズームエアが入っているので、どんな走法にも対応できます。後に発売された14でミッドソールはリアクトに変更され、ルナロンを搭載したズームランニングシューズはズームボメロ13が最後となりました。前作ズームボメロ13から大きく変わりました。上から見た感じも大きく違います。ナイキはペガサスターボあたりから、かかとが尖る感じのシューズが多くなってきました。履き心地も前作ズームボメロ13はゴツゴツした感じがありましたが、14は前作より柔らかさを感じます。重量もあるだけにクッションはもちろんあります。前作ズームボメロ13(右)と比較すると、デザインの問題でしょうか?かかと部分はやや厚くなったようにも見えます。ミッドソールは13はルナロンでしたが、14はリアクトに変更されました。アウトソールもだいぶ変更されています。前作に続きズームエアは前後に入っています。そして、さらにかかと部分のクッションはルナロンからリアクトに変更されたためか、クッション性が向上しています。見た目にもカッコ良くなり、ジョグ用に最も好きなズームペガサスに勝るとも劣らないシューズになりました。ライバルフライと同じく2019年に新たに発売されたズームランニングシューズです。ライバルフライはスピードライバルの後継モデルとして発売されましたが、ズームグラビティは完全な新作で、定価が1万円を切る(税抜きで9,000円)というナイキにしては廉価なシューズです。これだけの厚底にしてこの価格ならもっと重いものと思っていましたが、驚きの軽さでした。レーシングシューズとして位置づけされるズームエリートやズームライバルフライと同程度です。アッパー素材は最近流行りのトランスルーセントです。シュータンはアッパーから完全に独立している感じで一体感はありません。厚底なのに軽量だと前述しましたが、アッパーの生地は徹底的に薄いです。特にかかと部分の薄さは他のどのシューズをも凌ぐ薄さで、ちょっと安定性や耐久性に不安があります。かかと部分のみ拡大するとこんな感じです。次にミッドソールを見ていきますが、かなりの厚底です。ライバルフライ2(右)と比べてみます。写真ではわかりにくいですが、ズームグラビティの方が少し厚みがあります。ヴェイパーフライ ネクスト%と比較してみます。シューズの性能にはかなりの差がありますが、底の厚さは同程度です。また、ミッドソールの素材はファイロンです。最新のミッドソール「ズームX」を搭載するネクスト%とは反対に、ファイロンは昔から存在する伝統的なミッドソールです。ただ、ファイロンは今の時代にも使われているように、非常に優秀なクッションです。反発性に関してはズームXを凌ぐと私は思っています。実際に、ズームスピードレーサーやズームストリークなどの薄底レース用シューズに使われているのもファイロンです。ところがズームグラビティは、ナイキのズームランニングシューズで唯一の厚底ファイロンです。土でも芝生でもアスファルトでもといった様々な路面に対応することを想定しているそうです。これがいいのかどうかはよくわかりませんが、まあ前足部のグリップはナイキのズームランニングシューズの中でもトップクラスで、濡れた路面でも滑りません。このシューズで最も気になるのは足首周りのフィット感の悪さです。かかと部分はとんがる感じになっていますが、ここがホールドせずにシューズの中でかかとが浮いてしまう感じがします。紐をきつめに締めてもフィット感のなさは変わりませんでした。また、実際に走った際のクッションや反発ですが、ファイロンだけにクッションより反発の方が強そうです。厚底なので柔らかいクッションを期待していると期待ハズレかもしれませんが、厚さ故にクッションがあるという感じです。シューズの特性を考えると、ジョグ用として向いているわけでもなく、スピード練習用としても使いにくい微妙な感じです。高校生の部活での練習用を想定して作られたようですが、そのコンセプトはよくわかりました。私の用途としてはほとんど普段履きです。ナイキのズームランニングシューズについては、最新版が発売され次第、購入して実際に履いてみてこちらのレビュー記事を更新しています。記事の中でファイロン・クシュロン・ルナロン・リアクト・ズームXなどのまた、
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