轟焦凍 夢小説 婚約者

轟焦凍 夢小説 婚約者

(黙っていてもしょうがないので単刀直入にきり出す)【わかな】それってどういう?今のところかっこいいなぁくらいだけど。(単...轟くんと夢茶【ヒロアカ】 エンデヴァーに後継者と見込まれた焦凍は幼い頃から厳しい訓練を施され、上の兄弟たちのような自由も許されなかった。 苛烈な訓練に苦しむ焦凍を母親は見ていられずに庇うこともあったが、エンデヴァーは手を緩めるどころか身を挺して庇う妻に暴力を振るって黙らせる始末で、 緑谷出久のクラスメイトで、八百万百と同じく同年度の推薦入学者の一人。端正な顔立ちの少年で、オッドアイに右が白髪・左が赤髪になっている左右非対称な姿が特徴。また、赤髪の下、左目を中心に火傷の痕がある。クールで感情を表に出すことは少ないが、その内面にはNo.1ヒーローへの強い情熱を秘めている。ヒーローを目指す出久の友人兼ライバルの一人であるのと同時に、作中では「緑谷出久の成長」と並んで、彼の自立と家族関係の修復が、ストーリーの大きな要素にもなっている。 個性という異能を有した人間が生まれるのが当たり前になった時代において、俗に第二から第三世代で一つの問題が発生した。 【個性婚】――自身の個性をより強化して継がせる為だけに配偶者を選び、結婚を強いるというもので倫理観が欠落した前時代的発想として世の中において批判された。  轟 焦凍はそんな【個性婚】によって生まれた。  理由としてはエンデヴァーが自分ではオールマイトを超えられないからと自分の野望を代わりに果たすための存在を得るためである。  エンデヴァーは焦凍に対して虐待染みた指導、他の兄や姉は失敗作だからと関わらせず、隔離し……妻の制止すらも聞かずに彼女へと暴力を振るった事もある。    それにより、焦凍の母は精神を病んで熱の個性持つ焦凍の顔の左側に煮え湯をかけて火傷を負わせた。そして、彼女は病院へと入院させられることになる。  これにより、焦凍は父親を憎み、熱は使わないと誓約を設けた。  しかし、そんな誓約を破って全力で挑んでも緑谷 出久には負けてしまった。 「まさか、あのような男がいようとはな……しかし、恐れる事はない。子供じみた駄々を捨てたお前はこれからだ。先ずは緑谷 出久を超えろ」  これからの試合を観戦するため、一年A組の観客席へと戻ろうとした焦凍の前に実の父親である炎司が現れ、告げた。  「ああ、俺は出久をいずれ超えるよ。その時までは個性の縛りもしない……だが、お前のためにじゃないしお前がオールマイトを超えようとするのと同じじゃない」  焦凍は実の父親に宣言する。 「何?」 「分からねぇだろうな、お前じゃ」  炎司はある意味、哀れだ。彼自身の向上心が度を越えた事で妄執や憎悪に近い禍々しいものと成り果ててしまっている。  自分はあくまで敬意や憧れをもって出久を超えようとしているだけなのだ。今回、全力でぶつかったら、全力でぶつかってくれたから……そういう気持ちになれた。 「ついでだ、はっきり言う。俺はあんたの道具でも代用品じゃない。俺は俺だ」 「!?」  炎司は出久と同じような事を言った息子の言葉に驚愕して立ち尽くし、去り行く息子を見るだけであった……。   二    二回戦初戦、出久対焦凍の結果は出久の勝利となった。次は天哉と茨の試合が行われ、これは圧倒的速度と機動性によって茨の背を取り、場外へと追いやった天哉が勝利。  三奈と踏陰の対決は踏陰の猛攻によって一方的に三奈を場外へと追いやって勝利を掴み、その次は鋭次郎と勝己の対決が行われて鋭次郎は個性を使いつつ、勝己の特性上、長引くたびに強力になる個性を攻略するために猛攻をかけたがそれがかえって自分の個性の持続性に問題を生み、反撃の絨毯爆撃によって勝己に負けてしまった。  これにより、出久と天哉に踏陰に勝己のベスト4が出揃って第三回戦が行われる事になった。  『さあ、トーナメントも大詰めに入って来た。いよいよ準決勝だぜ』  最初に行われるのは出久と天哉の対決である。 『此処まで数々の技で魅せてきた、俺、もうすっかりファンになったぜ。緑谷 出久ぅぅぅぅっ!!』  マイクのその紹介文に消太は「私情、入れちゃ駄目だろ」と突っ込む。 『対してこちらもスピードで魅せてくれた飯田天哉。どこまで駆け抜けてゆくかこっちも期待だぜ』  このマイクの紹介文には「テンションが違ってるんだが」と消太は突っ込んだ。  こうして舞台に立ち、向かい合っている出久と天哉はどちらも余計な気を持たぬがためか黙っている。     そして……。  『スタートォォォォォォッ!!』  「ふっ!!」   試合開始の宣言と同時、天哉はトルクと回転数を無理やり上げての爆発力を利用した超加速技たる『レシプロバースト』を使用して出久へと猛進する。  彼の狙いは至極、単純。出久の個性使用を許さず、瞬時に突撃する事で場外へと押しやる事だ。これ以外に出久に勝てる方法は思いつかず、だからこそ余計な行動も思考もしない彼の速度はひたすらに疾い。出久もこれには碌に反応できておらず、接近を許しており……。   「しっ!!」 「ぶおっ!?」  次の瞬間、天哉の左側頭部に出久の蹴り足が弧を描くように跳ね炸裂。そのまま、脳を揺らしながら、天哉を気絶させるとともに右側へと吹っ飛ばして転がした。  これにより、出久の勝利は確定した。  さて、天哉のデクに対して考え出した方法。それは何一つの間違いも無く正しく、正解だった。  そ う、実際は違う。出久の個性による多種多様な手段が、強大な力が対戦する者を見誤らせてしまうのだ。彼の個性を抜きとした素の実力や技能を……。  緑谷 出久は己の個性を使えない状態でも将来、対決する事になるだろうあらゆる敵を倒せる絶対勝利に絶対無敵のヒーローというあまりに絵空事過ぎる存在になる事を目指している。  用は長所は何処までも伸ばし、短所はひたすらに消し去るという行為にあらゆる全てを賭け、本気で挑んでいるのだ。  そして、天哉との対決だが彼の個性を鑑みれば自分に対し、個性を使わせずに全力前進の突撃で一気に場外へと押しやろうとする事はまず最初に考えていた。無論、他の天哉が取って来るだろう戦法も考えていたが……。  そして、彼の動きや速度の程は全力かそうでないかはともかく、それ自体は見ていのだから後はどう変化しようとも基準を押さえていれば、多少の変化は誤差に過ぎない。   よって出久は予め想定、彼の能力の基準を押さえていたからこそ後は勝利の方程式を己の素の実力と技能で解き明かした。  それは至極単純、天哉の突進を見切って、カウンターである蹴りを炸裂させたというそれだけ。   今回は見知った相手であるために直ぐに勝利の方程式を編み出したが……彼自身の道理として出久は見知らぬ相手であろうと対応し、勝利を掴めるように現在進行形で自分のあらゆる全てを鍛え、磨き続けている。  そして、今後も更にもっと、限りなく続ける事に彼は一切の妥協は無い。  どこまでも己の夢を叶えるがために本気だからである。  そして……。  『……け、蹴りだぁぁぁぁっ。本当になんて奴だ、緑谷 出久ぅぅぅ、個性無しで勝利しやがったぁぁぁぁぁっ!!』  マイクは興奮気味に出久の勝利を告げたのだった……。    三     出久と天哉の対戦が始まりを告げた頃、町の外、建物に取り付けられた大型モニターがその様子を映していたため、一人のヒーローが活動からの小休止のために人参ジュースが入ったペットボトルを口へと呷りながら、それを見ていた。 「はは、  そう、面白いというような表情と声で言ったのは長い白髪に長めの兎耳、赤い瞳で鍛えられて引き締まったしなやかな体躯でスタイルも抜群、ワイルドでありながら美しい女性のヒーローだ。  このヒーローの特徴は白地に紺の縁取りがされ、胸元には大きく黄色の三日月があしらわれているバニー服のようなボディースーツに首元には白いファー、袖が無い代わりに白い手袋を填めており、靴は紺色のタイツと一体化していて爪先は兎の脚部のような形状、臀部には兎の尻尾。  彼女こそ女性のヒーローとしては現状一位の実績を誇るプロ、『ラビットヒーロー ミルコ』である。彼女の個性は兎の能力を発揮する異形型でこれにより、跳躍力、脚力は尋常ではないものを持つ。  又、だからこそ機動性を尊んでいるのか単独行動を主としており、事務所を構えても居なければ相棒、通称がサイドキックも連れはしない。  そんな彼女が出久に声を送った理由、それは彼の蹴りが彼独自の能力による改変はあるものの、ミルコの蹴りと原理が酷似していたからである。   事実、出久はオールマイトを超えるヒーローになるためとして格闘技の主体として拳では無く、足に重きを置いた。  そして、蹴りを発展させる参考として蹴り主体の戦闘スタイルを有しているミルコを選んだのだ。  自分の能力を高めるために熟練者の能力を参考にする。  それは誰であれ、出来る出来ないは度外視しても素人でさえも一つの考えとして浮かぶものであり、そもそも習い事においては師に教えを請い、それに倣って磨き、やがて自分の物として発展させるのは当然だ。   ミルコだけでなく、それぞれ別の技能においてあらゆるヒーローを出久は参考としているが、彼が蹴り技について一番としているのは間違いなく、ミルコである。 「独学でやりやがるなんて……面白ぇ」  自分の蹴りは己の個性が齎す素質を活かすは当然として、現在進行形で鍛え上げ、練り上げてきたもの……触りであろうが、模倣や再現される程、雑なものじゃないし特に原理を体得するなど自分が教えない限り、不可能だと自負している。 「本当に面白ぇよ、緑谷 出久」  緑谷 出久はそんな彼女から見て原理を合格だと言えるレベルで体得してしまっている。だからこそ、ミルコは出久に強く興味を惹かれたのだった……。

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