ベートーベン 7 番 アバド

ベートーベン 7 番 アバド

ベートーヴェン:交響曲第7番名盤は、カラヤン/ベルリンpoの1978年ライヴ。分厚い響きと猛烈なスピード感。カラヤンのライヴの凄さをまざまざと見せ付けられるような名盤です。チェリビダッケ/ミュンヘンpoのゆったりとしたテンポで重量感のある名盤。クライバー/ウィーンpoのガラス細工のような繊細で緻密な名盤。フルトヴェングラー/ベルリンpoの1953年のライヴ。フルトヴェングラーらしいめまぐるしいテンポの動きが圧巻の名盤などがあります。一楽章、まず分厚い響きに圧倒されます。すごいスピード感とクレッシェンド。カラヤンのスタジオ録音からは想像がつかないほど激しい演奏です。一楽章だけでも、かなり聴き応えがあって、すごく満足です。二楽章、速めのテンポで畳み掛けるように思いのたけをぶつけてくるように感情の振幅の激しい演奏です。弦楽器の弓をいっぱいいっぱいに使って、すごく豊かな表現をしている感じがします。すばらしいライブです。三楽章、カラヤンの音楽が、こんなに生き生きしていたとは驚きです。この当時はカラヤンの音楽が一番充実していた時期なのでしょう。四楽章、凄い!怒涛のフィナーレ。カラヤンがベルリンpoを煽る。超高級スポーツカー(フェラーリ)にでも乗っているかのような豪華さが猛スピードで駆け抜けていくような爽快さ。スタジオ録音で聴くような厚化粧のカラヤンとは別人です。彫りも深いし文句の付け所が無い名盤を発見した思いです。二楽章、スピード感はないけれど、一音一音確かめるように一歩一歩着実に進んで行く音楽にこちらも同期化できます。三楽章、広々としたスケールの大きな音楽。楽譜に忠実にがモットーの朝比奈の演奏ですが、単に楽譜に書いてあることを音楽にしたら、これだけ楽章によって多彩な表情の変化も描き出せるのでしょうか。四楽章、ここでも、ゆっくり目のテンポをとっていますが、このような速いテンポの楽章であっても、音楽が凶暴化しないところも朝比奈の趣味の良さです。テンポが遅いだけに若干弛緩したかなと思われる部分もあったような気もしましたが、そんなことは些細なことで、全体を通してすばらしい演奏でした。二楽章、かなり遅いテンポで始まりました。ずっと遅いテンポのままで、悲嘆に暮れるような演奏です。三楽章、ティンパニがかぶってきて全体を消してしまうことがあります。テンポはよく動きます。感情がストレートに表現されていて、起伏の激しい音楽です。四楽章、遅いテンポで始まりました。主題の部分からは通常のテンポになりました。その後さらに加速したとおもったらまたテンポダウン。目まぐるしいテンポの変化です。終結部に向かってどんどんテンポを追い立てて行きます。凄い!圧巻でした!二楽章、静かにそして暗闇に沈みこむように演奏される弦の第一主題。リハーサル時間を長くとっていたチェリビダッケらしいとても緻密な変奏。とても静寂感のある弱音。三楽章、テンポは遅いですが、重くはありません。オーボエの旋律などもとても軽いです。弱音と激しい部分の対比がすごく克明で、激しい部分はかなり強烈です。四楽章、重戦車が走るような遅いテンポとすごいエネルギーの冒頭です。トゥッティは全開のもの凄いエネルギー感です。最後まで巨大なスケール感のどっしりとした演奏でした。二楽章、この楽章も速いテンポですが、一転して物悲しさを感じさせる演奏です。引きずるような第一主題。主題が繰り返されると豊かに歌ったり、消え入るような弱音になったりして変化に富んでいます。トリオではソロが美しく絡みます。フルスイングするような弦がとてもダイナミックです。深く染み入るような弦。ライヴでも集中力が高く丁寧な演奏です。三楽章、ダイナミックな冒頭でした。締まりがあって美しいオーボエ。トリオに入っても穏やかにはならず、動きのある演奏です。弱音は消え入るようで、トゥッティとの振幅の差がとても大きいです。四楽章、この楽章は物凄い勢いで始まり、さらにテンポを加速します。猛スピードで突進するような凄い演奏ですがクライバーのように頻繁にテンポが変わらないので、安心して聞ける部分はあります。ベーレンライター版を先取りしたような速いテンポ。それに付いて行くベルリンpoの集中力の凄さ。カラヤンのベト7ライヴはどれも凄い!二楽章、第一主題は切々と歌いますが、憂いに満ちた響きが深く訴えかけて来ます。三楽章、かなり積極的な表現になって来ました。オケの音も鮮度が高くなったような、熱気でしょうか?オケの色彩感も濃厚で見事です。音楽の起伏も大きくなって来ました。四楽章、この楽章は重く大きい編成のオケをグイグイ引っ張って速いテンポの演奏をしていますが粘った表現もあります。音楽が次第に加速するようなエネルギーがあります。終盤に向けてもの凄いエネルギーの噴火です。コーダの盛り上がりも凄いものがありました。悠然としたたたずまいの第一楽章から次第に熱気をはらんだ第四楽章の猛烈な爆発は物凄いものがありました。正にライヴの小澤の面目躍如と言った演奏でした。二楽章、冒頭から憂いを秘めた響きです。引きずるように重く沈み込むような演奏。テンポの動きに悲痛な表現が加味されて凄く深刻な表現に感じます。三楽章、二楽章の重い雰囲気から一転して明るく元気な表現です。音色もパッと花やいだ雰囲気になります。トリオは重厚な表現で変化があります。この楽章でもテンポは大きく動いています。四楽章、ゆったりと泳ぐようなテンポで始まりましたが、次第に加速して凄く激しい演奏になったかと思うと、またテンポを落としてゆったりとした演奏になったりしてめまぐるしいテンポの変化です。最後まで手綱を緩めることなく怒涛のコーダでした。最近の演奏に比べると、テンポも遅く重い演奏でしたが、自在なテンポの変化や叩き付けるような表現。そして圧巻のコーダのすばらしい演奏でした。二楽章、比較的速めのテンポで推進力を重視しているような演奏です。推進力がある分、深みを感じることができません。三楽章、推進力があるので、スポーツカーのような俊敏さはありますが、スケールの大きな演奏にはなりえません。しかし、推進力や躍動感は凄いものを持っています。四楽章、とても精緻な音楽で、ちょっと触れば壊れてしまいそうなガラスアートのような透明感と繊細さを併せ持った貴重な記録だと思います。この曲のスタンダードとして位置づけるような演奏ではありませんが、クライバーの芸術性の高貴さが表出された名演奏だと思います。二楽章、艶やかな弦が美しく歌います。ゆったりとしたテンポで深みのある演奏です。三楽章、動きのある演奏です。一楽章の冒頭のコンパクトな響きから次第に大きな響きになって来ました。強弱の反応もとても良いです。四楽章、この楽章では三楽章で聞かれた巨大な響きではなく、軽快に進む音楽ですがテンポの変化は大きくかなり大胆です。コーダの追い込みは見事でした。大胆に動くテンポと濃厚な表現。ウィーンpoの艶やかな美しい響きと相まってとても良い演奏でした。二楽章、アタッカで入りました。主題の音をあまり続けずに僅かに短めに演奏しています。全体に短めの音で演奏されるので、楽器がくっきりと際立ちます。三楽章、この楽章にもアタッカで入りました。音が空間に飛び散って行くようにエネルギーを放出します。とても力強く明快です。鋭いナチュラルトランペットが突き抜けて来ます。引き締まった筋肉質の演奏で動きが克明で音楽が生き物のように活発です。四楽章、同じリズムを繰り返す部分で音量を落としてクレッシェンドしたり一つのフレーズでも音量の変化があったりといろんなこだわりがあります。いろんなリズムが絡み合っているのも良く分かります。コーダへ向かって行くエネルギーは凄いものがありました。ティンパニの存在感もとても大きく、クレッシェンドがとても効果的に決まっていました。いろんな楽器の動きが手に取るように分かる演奏でした。作品の面白さを存分に伝えてくれて演奏です。二楽章、非常にゆっくりと刻み込まれるような第一主題。奥行き感があって、ホールに響く残響がとても美しいです。豊かな歌と熱気のこもった演奏。三楽章、この楽章もゆったりとしていますが、繊細さもあります。トリオはさらにゆったりとしていてしっとりとしています。四楽章、艶やかなヴァイオリンが美しい。トゥッティでも荒れることなく、なまめかしい程の美しさです。コーダは熱っぽく圧巻のアッチェレランドでした。イッセルシュテットのベートーベンは優等生的で主張の無い演奏が多かったのですが、この演奏はゆったりとしたテンポに艶やかで美しい響きやコーダの圧巻のアッチェレランドなど聞かせどころいっぱいの演奏でした。二楽章、暗く沈み込むような主題。心がこもって、切々と歌い上げています。三楽章、テンポは速めで、締った表情で躍動感があります。ティンパニが硬質ですが、釜が良く鳴って良い響きです。トリオはとても良く歌います。四楽章、かなりの快速です。華やかに盛り上がる部分と静かに落ち着く部分の対比も見事です。生き生きとして凄い躍動感です。ティンパニの強打を伴った快演でした。名前を聞いた事の無い指揮者でしたが、とても表現の幅が広く、常に全体のバランスよりも強めに入るティンパニの心地よさ。コーダへ向かう怒涛の勢い。作品の魅力を余すことなく表現した快演でした。二楽章、この楽章も速いテンポです。二小節に一度頭の音を強く演奏しています。この楽章も良く歌います。三楽章、この楽章も速いテンポで生き生きとした演奏が続きます。凄いエネルギーの発散です。トリオは独特の歌い回しです。凄い勢いのある演奏ですが、若干雑になる感じもあります。ですが、これだけのエネルギーを発する演奏は珍しく貴重な演奏だと思います。四楽章、一気呵成に突き進む猛烈な演奏です。オケも全力投球です。波打つようにうねる音楽。もの凄い勢いの演奏でした。生き生きとした躍動感と刻み込まれるような音楽。これだけ強いエネルギーを発散する演奏も珍しいと思いました。二楽章、静かで重い第一主題。目立った表現はしていませんが、悲しみがジワジワと込み上げてきます。力みも全く無く、オケを無理にドライブすることもありませんが、とても深い演奏です。三楽章、解放された柔らかい響き。本当に力が抜けた自然体の演奏から凄い生命感を感じるのがとても不思議です。ビックリするような仕掛けなども無く、正に正攻法です。四楽章、速めのテンポですが、オケの響きは伸び伸びとしていて余裕があります。ホルンが咆哮することもありません。常に余裕のある美しい音色で、最後は僅かにテンポを速めました。全く力みの無い、美しく柔らかい響きで、大きな表現はありませんでしたが、自然と心に届く音楽はとても魅力的でした。一楽章、とまどうように弦のフライイングのある冒頭の4分音符。凄い勢いで加速して行きます。上昇音階の部分は常に加速している感じでクライバーの気合が感じられます。オケの特徴か木管の音が太く、可憐な感じはあまりありません。弦の表現はとても積極的です。ダイナミックで濃厚な表現です。テンポはかなり動いて嵐のような凄い勢いです。コーダも凄いスピード感です。この燃焼度の高さが最後まで持続するのか心配になります。二楽章、枯れた響きで、暗く渋い第一主題の演奏です。速めのテンポですが、切々と訴える表現で美しく歌います。沈み込むような悲しみの表現はありません。トリオの最後のクレッシェンドは思い切り良く鮮烈です。三楽章、ここでも積極的な表現の弦に疾走感があります。トリオも速めのテンポですが、表情はとても豊かです。トランペットがテヌートぎみに演奏します。凄い勢いですが、とても新鮮な音楽です。四楽章、雪崩れ込むような冒頭。そしてここでもテンポを追い込みます。83年のコンセルトヘボウのライヴのようなガラス細工のような繊細さはありませんが、温度感が高く熱気に溢れています。まるで台風のさなかのような猛烈な嵐のようなスピード感です。コーダへ向けてさらにテンポを速めます。怒涛の終演です。演奏終了と共に上がるブラヴォーの声にも納得です。この会場にいた人は狂喜だったろうと思います。積極的で新鮮な音楽。聞いていて血液が沸騰しそうになるようなアッチェレランド。物凄い熱気と怒涛のコーダでした。・二楽章、遅めのテンポです。力強いのだけれども、ぐいぐいと沈み込んで行く音楽。三楽章、テンポの振幅も大きく、速いところとゆっくりのところとの対比がしっかりされています。四楽章、この楽章は堅実な歩みです。少し速くなってはまた遅くなりを繰り返しながら最後はアッチェレランドで終わりますが、ベームはしっかり手綱を締めています。二楽章、長く響くオーボエに続いて重く暗い沈み込むような弦。第一主題もむせび泣くような沈痛な演奏です。非常に重い演奏はこの作品の演奏の中ではかなり異質な存在だと思います。テンポも遅くなることが度々あり、どんどん重くなります。最後の音が長く尾を引きます。三楽章、ガラッと空気が変わる程まではありませんが、軽快な雰囲気は十分にあります。トリオは作品を慈しむようにゆったりと流れます。トリオの巨大なスケールのトゥッティに圧倒されます。コーダはすごくゆっくりとしたテンポになりました。四楽章、遅く重い演奏で、リズムは弾むことなく、地を這うような演奏で躍動感はありません。荒れ狂うような圧倒的なコーダでもありませんでしたが、重量感のある演奏は聞き応えがありました。バーンスタインのラストコンサートと言われる演奏。体力の衰えからかアンサンブルの乱れも僅かにありましたが、最晩年のバーンスタインのカラーで染めつくされた演奏だったと思います。本来の明るい曲調とは違って、重く沈み込むような演奏には、この世の別れに込められた万感の思いが表現されていたのかも知れません。二楽章、深く沈む第一主題。次第に感情を叩き付けるように激しくなってきます。トリオでは穏やかな表現になって、主部との対比が見られます。三楽章、この楽章でも明快な動きがあります。中間部は速いテンポであっさりと流れますが他の部分とのバランスからすると速すぎるような感じがします。四楽章、金管も突出することなく良いバランスでブレンドされた響きです。二楽章で聞かせた感情を叩き付けるような激しさからこの楽章も期待したのですが、意外と抑制されたバランス重視の表現でした。渋みと深みのある良い響きの演奏でした。このオケが伝統的に持っているバランス感覚なのか、どこかのパートが突出してくることもありませんでした。表現もとても良く練られている感じは受けましたが、もう少し突き抜けた表現もあったら良かったと思いました。一楽章、長く尾を引くような4分音符。ビブラートを掛けて美しいオーボエ。次から次から波が押し寄せるような弦とともにテンポが速まります。フルートの第一主題の合間に入る弦の強弱の反応がとても良いです。78年、83年のライヴに比べると演奏は落ち着いています。二楽章、レガート奏法で、ほとんど音がつながっているような第一主題。サラッと淡々と流れているようですが、内に秘めた感情がにじみ出てくるような演奏です。中間部ではたっぷりとした歌です。三楽章、最初の音を僅かに長く間をとって演奏しました。後年のライヴで聞かせるものすごい勢いの片鱗を感じさせるテンポ感です。トリオで登場するトランペットもレガート奏法で。ほとんど音がつながっています。強い勢いはありませんが、十分に推進力はあります。四楽章、最初の八分音符を少し長めに演奏しました。かなり速いテンポですが、これが曲が進むにつれてさらに加速します。強弱の変化とテンポの変化が同時に来ます。この楽章の猛烈な加速はやはり後年のライヴに通じるものがあります。カラヤンが作品に強い共感を持って魂が乗り移ったようなテンポの動きは素晴らしいです。最初は後年のライヴに比べると大人しい演奏だと思って聞いていましたが、四楽章に入ると作品を完全に自分のものにしたカラヤンの魂が乗り移ったようなテンポやダイナミックの変化があって最後は素晴らしい演奏でした。ただ、レガート奏法が行き過ぎたような部分もありました。二楽章、確かな足取りで刻まれていく音楽。渋い音色で統一された響きのなかで、美しい音楽がとても心地よい。三楽章、室内楽を聴いているような透明感の高い響き。ムダに飾ることはなく、田舎の頑固親父が誠実な音楽を運んでいきます。カラヤンのスタジオ録音のような厚化粧のようなことも一切ないので、清楚な演奏です。四楽章、スウィトナーがN響に客演していた頃は、変な風体のおっさんが何かやっているとしか思っていませんでした。二楽章、この楽章も速めのテンポです。演奏自体の表現力は十分にありますが、もう少し遅めのテンポの方が陰影を描き出せるような感じがします。それでも、マタチッチの激しい悲しみの表現も惹かれるものがあります。三楽章、この楽章は一転して遅めのテンポでスケールの大きな音楽表現です。N響もマタチッチの棒に付いて行ける力を持っているように思えます。四楽章、ここは一楽章同様凄い推進力です。ただ、カラヤンのライブのオケの圧倒的な厚みにはさすがに一歩譲ります。二楽章、一楽章から間を空けずに演奏されました。葬送行進曲とすれば軽い演奏です。三楽章、また、軽快な音楽に戻りました。当時はこんな演奏が本当にされていたのではないかと思ってしまうほど説得力があります。四楽章、細部まで表現は徹底しています。二楽章、お互いの音を聴きあって細心の注意を払って演奏されているような弱音部。緊張感を伴った静寂間があります。三楽章、際立った表現や誇張された部分はありませんが、中庸の安心感があります。四楽章、少しつんのめった感じの冒頭でした。速めのテンポで進みます。力強い推進力。少しテンポを上げて演奏を終えました。二楽章、ゆっくりと語りかけるような演奏です。少し進むと僅かにテンポが落ちてさらに訴えかけるような表現になりました。この楽章はテンポが動いて深い表現です。三楽章、この楽章も速くはありませんが、躍動感があります。トゥッティでも決して固くはならない柔らかく美しい響きです。四楽章、前進する力は僅かです。アバドの流れるような演奏に比べるとはっきりとした脈動があります。最後は少しテンポを速めましたが、金管が吠えることもなく全体的に整った美しい演奏でした。二楽章、深く歌う第一主題。この頃のブーレーズの音楽と言うと切れ味鋭く人間味に乏しい印象でしたが、どうして、とても暖かく人間味に溢れた演奏です。トリオでは澄み渡った雪景色のような美しさです。三楽章、ゆったりめのテンポでまろやかで優しい響きです。ドタバタせずに穏やかで優雅な演奏はこれまで聞いたことの無いタイプで、これはこれでなかなか良いものです。バーンスタイン時代には暴れ馬のようなオケだったのが、これだけ上品で整った演奏をするまでになったのはブーレーズの大きな功績です。四楽章、この楽章でも力感はあまり無く、自然体で力の抜けた演奏です。音楽の振幅も大きくは無く、この曲としてはゆったりと進む感じです。泰然自若でどっしりとして動じることの無い演奏です。最後は少し高揚して終わりました。一楽章ではちょっと不自然なテンポの動きがありましたが、二楽章以降は力みの無い自然体の演奏で、ゆったりと優雅に流れる音楽がとても心地良いものでした。二楽章、遅く重く暗い表情の第一主題。切々と感情を込めて歌われるところはなかなか聞かせますがテンポのタメや動きはほとんど無く、ただ楽譜を音に変えているだけのような印象もあります。三楽章、奥行き感があって美しい響きです。テンポは遅いですが、演奏そのものにはスピード感があり置きに行ったような演奏ではありません。トリオのトゥッティの広がりもあり大きな響きを作っています。ティンパニがドローンとした響きでこのテンポには合っているのかも知れませんが、もう少し硬質でも良いような気がします。四楽章、この楽章も遅いですが、演奏にはスピード感があって、音楽が停滞するような感じはありません。弛緩した感じもなく、このテンポでも緊張感は維持しています。・一楽章、最初の音のアンサンブルが乱れます。後年のライヴのような強烈な加速はありません。速いテンポで舞うような第一主題。この演奏でも分厚いトゥッティのエネルギー感は凄いです。前へ強烈に進もうとするような推進力もあまり感じません。二楽章、この楽章も速いテンポで悲しみを強く印象付けるような演奏では無く、暖かみを感じさせる演奏です。豊かな歌のある演奏です。三楽章、重量感のあるスケルツォですがスピード感もあります、ただ後年のライヴのような猛烈に前進するようなスピード感ではありません。四楽章、この楽章は凄いテンポで進みます。ただ前へ進もうとする推進力はあまりありません。コーダは物凄い加速でさすがですが、やはり後年の周囲の物を蹴散らして進むような力強さは感じられませんでした。カラヤンらしい速いテンポで勢いのある演奏でしたが、後年のライヴのような猛烈な勢いで突き進むような力強さは感じられませんでした。二楽章、もっとのめり込んでも良かったような気も若干しました。三楽章、やはり、テンポは遅めですが、違和感はありません。雄大な自然を連想させてくれるような演奏です。ただ、ゆったりしたテンポ設定と躍動感のある音楽のと融和するところが見つけにくいようで、8番ほどしっくりきていないような印象はあります。四楽章、一般的なテンポの範囲のような気がします。終番から畳み掛けるようにテンポが速くなりティンパニのすごいクレッシェンドがあり、音楽がどんどん前へ前へと進んで行きます。これも見事なピークを作って熱狂的に終わりました。二楽章、思い入れがすごく込められている演奏です。いつもの外へ爆発する方向よりも、内面へ向かって、切々と訴えかけいくるような感じがします。三楽章、やはり、ボストンsoの奥ゆかしさと、テンシュテットの全てをさらけ出すようなスタイルは合わないような気がします。四楽章、猛烈に畳み掛けるような終わり方でも無かった。テンシュテットの指揮だからと過剰に期待しなければ、まとまりの良い演奏だったと思います。二楽章、それぞれの楽器の響きが細いので、寂しい楽曲がさらに寂しさを増しています。演奏スタイルも時代考証をして、表現も工夫しているのだと思うのですが、この楽章は平板な感じは否めません。三楽章、躍動感があって楽しい表情です。やはり響きの細さはずっと付きまといます。当時の楽器や演奏スタイルなど研究して、当時の演奏を再現してみる試みは評価できます。四楽章、間が長い冒頭でした。音に豊かさや伸びやかさがないので、詰まった印象になってしまいます。二楽章、この楽章もテンポが速くて味わいがありません。二楽章、比較的速めのテンポで推進力を重視しているような演奏です。推進力がある分、深みを感じることができません。三楽章、推進力があるので、スポーツカーのような俊敏さはありますが、スケールの大きな演奏にはなりえません。しかし、推進力や躍動感は凄いものを持っています。四楽章、とても精緻な音楽で、ちょっと触れば壊れてしまいそうなガラスアートのような透明感と繊細さを併せ持った貴重な記録だと思います。二楽章、レニングラードの大ホールの録音機材が相当悪かったのか、アメリカでは1960年代なら、かなり良い音のステレオ録音のはずですが、1964年でこの音は酷すぎます。しかもモノラル。三楽章、ムラヴィンスキーの芸術性の高さからすると、録音に恵まれなかったのは大変残念なことです。四楽章、オケの熱演が感じられないわけでしないのですが、録音の歪みが酷くて、演奏が滑稽に聞こえてしまう部分もあり、私のような聴き方をする人間には、この演奏の良さを伝えることは不可能です。二楽章、淡々と演奏が始まりました。深く沈みこむような表現ではなく、無用な感情移入は避けているように感じます。歪みっぽい録音はいかんともしがたい・・・・・。三楽章、四楽章、遅めのテンポで開始しました。熱狂的な高揚感よりも冷静さの方が強く感じられるように思います。ちょっと重いです。二楽章、ウィーンpoの伸びやかで美しい弦がとても印象的です。弱音の繊細さもとても美しいです。三楽章、この楽章も美しいのですが、前へ進む力強さはありません。表現にも尖ったところは無く滑らかで繊細な女性的な演奏のように感じます。四楽章、ほとんど加速することなく楽譜通りの演奏です。流れるような滑らかな演奏はアバドらしいです。コーダでも全くテンポは変わらず落ち付いていました。繊細で流麗な美しい演奏でしたが、テンポの動きも無く、優等生的で燃焼度が高い演奏には感じませんでした。二楽章、軽く静かでしかも華やかな主題。アメリカのオケらしい華やかさです。あまり深みはありませんが、良く歌っています。メナの演奏の強烈なティンパニを聴いてしまうと、この演奏のティンパニはいかにも弱い。弱音では室内楽のような繊細さです。三楽章、力が抜けて、ほどほどのエネルギー感であまり力漲る躍動感はありません。トゥッティでもトランペットが飛びぬけて来たりはしません。とても常識的な演奏です。トリオでは良く歌います。四楽章、一転して速めのテンポでぐいぐい進みますがカラヤンのライヴのような強い推進力はありません。コーダへ向かってはかなり激しくなりました。最後の追い込みはなかなかでした。弱音部の繊細な美しさや四楽章コーダへ向けての激しさはありましたが、全体としてはお行儀の良い優等生的な演奏でした。二楽章、アタッカで入りました。あまり表情を付けずに淡々と演奏される第一主題。テンポも粘ることはありません。トリオでは歌いましたが、主部はほとんど表情を付けずに演奏しています。三楽章、ここもアタッカで入りました。一転して活発に動いていますが引き締まった演奏では無く、どこか緩い感じがします。四楽章、かなりの快速で飛ばしています。演奏の温度感が高く、ピーンと張りつめたような緊張感は感じません。コーダへ向けてオケを爆発させました。最後はそれなりの盛り上がりはありましたが、全体的には緩く、緊張感の乏しい演奏でした。二楽章、控えめで厳かな第一主題。続く変奏でも物悲しさが伝わって来ます。少し離れた録音なので、響きのまとまりが良く小粒ながら美しい演奏です。三楽章、滑らかで美しい流れるような演奏です。大きな表現はありませんが、キリッと引き締まった清涼感のある響きで見通しの良い演奏です。四楽章、ベームのライヴにしてはクールで燃焼度があまり高くないような感じがします。コーダはそれなりに盛り上がりましたが、ベームの絶頂期の白熱したライヴとは違って衰えを感じてしまいました。清涼感のある涼しげな響きで、サラリと演奏された感じがあります。最後はエネルギーの放出もありましたが、燃え上がるような演奏ではありませんでした。二楽章、抑えた音量で静かに美しく演奏される第一主題。非常にまとまりが良く美しい弦です。三楽章、一転して活発で生気に溢れる演奏です。トリオはいろんな楽器が絡み合って良く歌います。主部に戻ると弦の弱音部分がとても精緻で神経を使っているようです。四楽章、速いテンポですが、あまりスピード感はありません。柔らかくまろやかで美しい響きでしたが、表現はいたって普通の演奏でした。・二楽章、もう少し丁寧に音符を扱って欲しいです。三楽章、ダイナミックです。かなり振幅があって良いです。ただ、餅つきのようなティンパニはいただけません。私にはこのオケのパウカーの音色に対する感覚が理解できません。四楽章、ちょっと演奏が粗いのを除けばそんなに悪い演奏ではないのですが、ティンパニが曲の雰囲気を壊しているように思えてなりません。二楽章、どうもこの演奏は技術と内面が乖離しているように感じてしまうのですが・・・・・・。三楽章、強烈な金管の咆哮もあって、いつも聞きなれた朝比奈のイメージとはかなり違います。四楽章、二楽章、この楽章も遅めのテンポを取っています。オケの集中力もあまり感じられない。表面だけが鳴っているようで、内面深く沈みこんでいくようなことはありません。三楽章、この楽章は一般的な範囲のテンポ設定です。途中アッチェレランドもあり、大きくテンポを落として粘っこい表現もあります。このテンポを落とした部分で音楽が間延びしてしまって、演奏の一貫性を欠いてしまっているように思うのですが・・・・・。四楽章、冒頭は間を空けてゆっくりの演奏でした。その後はすごく速いテンポの演奏です。テンポの変化が激しくてやはり演奏の一貫性を欠いていると思います。テンポの変化に伴って演奏の凄味が加われば良いのですが、オケの集中力の高さが伴っていないので、何となくテンポだけが動いていて、感情も一緒になっていない印象なのがとても残念です。いろんな仕掛けは面白かったです。二楽章、この楽章はそんなに速くありません。遠くから次第に明確になる第一主題。淡々としていて、感情が込められているようには感じません。色彩感も淡泊で墨絵のようなモノトーンです。三楽章、モヤーッとした響きで新鮮な雰囲気がありません。いつものような躍動感が感じられません。ズルズルと引きずる感じで弾みません。四楽章、この楽章もどういうわけか、あまり躍動感が無く、色彩感にも乏しく、のっぺりとした表情で締りがありません。いつものレイボヴィツの演奏のような引き締まった躍動感が無く、リズムも甘いような感じがありました。色彩感も乏しい演奏で、ちょっと残念でした。二楽章、この楽章でも何かを強調することは無く、自然体で力みの無い演奏です。テンポは遅くずっとそこにとどまっているかのようなたたずまいです。クレンペラー自身が作品に共感していないのではないかとさえ思えてくる、感情移入の無さです。三楽章、この楽章はテンポは遅いですが、重くはありません。最後はすごく遅くなりました。四楽章、トランペットのタンタカタカが強く出ます。この楽章は遅く重いです。何だか良く分からない演奏でした。全くと言って良いほど感情移入は無く、終始貫かれる自然体。作品に手を加えずそのまま演奏すれば、本質は伝わると言うことなのかもしれませんが、私には正直退屈でした。二楽章、美しい音で音楽は流れて行くのですが・・・・・・。きっと、細部の微妙な表現にも細心の注意を払って音楽を作っているのだと思うのですが、それがかえって大きな推進力やエネルギーの噴出を抑えてしまっているようで、何をしようとしているのか分からない。三楽章、小沢の1970年代前半のライブはもの凄い勢いがあったと思うのですが、もうすでに枯れてきているのでしょうか。四楽章、この演奏に生気が感じられません。二楽章、ワルターのpには魅力を感じますがfにはあまり魅力を感じません。ただし、「英雄」のライブでは凄いスピード感のある演奏をしていましたので、この録音では本領発揮とはいかなかったのだと思います。三楽章、トランペットがかなり抑えられているので、抑揚に乏しい音楽に感じられてしまいます。四楽章、滑らかに音楽が流れて行って、引っかかるところがありません。二楽章、盛大に吹かれる木管。ゆっくりと一音一音感情を込めるような第一主題。やはり、デッドで痛いようなヴァイオリンの響きはかなりキツイです。テンポも動かして大きな感情移入の表現もありますが、やはり響きの強さが災いします。三楽章、音楽が拡散して行き、集まってくる感じがありません。バランスがいびつで木管がかなり強調されているようです。四楽章、第一主題に向かうテンポの動きは不自然でした。コーダではかなりテンポを速めましたが、大きな盛り上がりにはなりませんでした。録音された当時の技術ではバランスの取れた録音にするのは難しかったのかも知れません。かなりキツイ響きで密度も薄いものでした。深く感情を込めた部分もありましたが、総じて散漫な印象でした。二楽章、あまり感情を込めることもなく淡々と音楽が進みます。三楽章、ティンパニがボンボンと響きます。あまり躍動感も無く、ベターッとした感じでなんとなく過ぎていきますす。録音のレンジが狭くヴァイオリンなどの艶やかさもありません。四楽章、冒頭から僅かにテンポを速めているようです。1940年代の録音を聞いているような鮮度の低さで、細部の表現などはほとんど分かりません。録音が悪く、ただ演奏しただけにしか聞こえませんでした。・

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2011. 現時点ではこのメニューの読み込みに問題があります。 ★★★★★ 1978年のライブ録音。一楽章、まず分厚い響きに圧倒されます。すごいスピード感とクレッシェンド。カラヤンのスタジオ録音からは想像がつかないほど激しい演奏です。 激しい演奏でも、音が荒れないところは、さすがにベルリンpo。鍛えられています。 弓から松脂が飛び散るような、弾くというより叩きつけているような激しさです。カラヤンのライブがこんなに熱っぽいものだとは知りませんでした。一楽章だけでも、かなり聴き応えがあって、すごく満足です。二楽章、速めのテンポで畳み … Universal.

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